QCしごと術(3):QC手法を事務系業務に適用する 〜時間効率と品質改善の徹底〜

工場の女性総合職
サマリー この記事は、事務系ビジネスパーソン向けの、時間効率と品質改善に関する記事です。

 

仕事を進めていく上で、

 

『もう少しやりやすくしたいけどどうすればいいのか分からない』

『特定の業務にすごく時間がかかっているけど問題点がいまいちわからない』

 

そんなことに悩んだ経験ありませんか?

漠然とした仕事の悩みはQCの考え方で解決できるかもしれません。

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女性総合職

QCとは?

QCとは、Quality Control(品質管理)の略です。

品質管理と聞くと理系職種の方の専門のイメージですが、事務系の業務でも考え方を活用することが出来ます

QCで取り入れられている改善のプロセスは、事務系の業務にも簡単に応用することが出来ます。

 

今回はQCの考え方を活かした業務改善の仕方、仕事への応用について解説します。

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PDCA

業務で困っていることを挙げる

担当業務でやりづらい・わかりづらいと思うことがあると思います。

 

毎日忙しく業務をこなしていく中でもう少しやりやすくならないのか?と思いつつそのまま業務をこなしている…そんな方も多いと思います。

 

自分の担当している業務の中でやりづらいもの、時間のかかっているものをいくつか挙げてみましょう。

Prioritize

その中から重要性・緊急性・費用対効果の高いものから業務改善を実施していきます

一気に業務改善をしていきたい気持ちになりますが、一つずつ優先順位の高いものから対策していきましょう。

 

複数名で同じ業務をやっている場合は、一緒に業務改善を図っていきます

 

どの業務を改善していくのかが決まったらオススメなのが“なぜその仕事がやりづらいのか真因を見つける”ことです。

QC手法で言えば連関図や特性要因図を使って考えます。

参考記事:連関図と特性要因図

本記事は、◆ 問題解決型のフレームワーク◆ QCストーリー と QC7つ道具 実践例紹介◆ QC教育初級者レベルについて記述しています。 なお、事務系ビジネスパーソンの方は、以下も御覧いただけれ[…]

QCストーリー

次にどのような“考え方”で真因にたどり着けば良いのかを解説していきます。

真因把握の具体例

例えば『発注量が多く一人だと納品処理が間に合わないことがある』という問題があったとします。

 

仮にあなたが、「フォローしてくれる人をつけて解決しよう」と考えた場合、それは真因を捉えているとは言えません。

 

もちろん人数を増やせば業務自体が終わる時間は短くなりますが、労務費は変わらない若しくは増える結果になります。

 

その問題が発生している真因を見つけて抜本的な対策をすることが重要です。

 

では、どのように真因にたどり着けば良いのでしょうか。

 

QC的なものの考え方では“なぜ?”を繰り返すことが重要です。

先ほどの例で言えば、

 

『発注量が多く一人だと納品処理が間に合わないことがある』

↓ ナゼ?

『一人で捌ける発注量を超えている』

↓ ナゼ?

『納品処理に手間がかかりすぎる』

↓ ナゼ?

『入力する項目が多く入力に時間がかかる』

↓ ナゼ?

『納品情報の入力を全て手入力で行っている』

 

 

このように最初の問題に対しどんどん“なぜ?”を問いかけていき真因を追求していきます。

今回の例では納品処理業務を全て手作業で行っていることが真因とします。

真因分析

真因に対して対策を考える~ブレインストーミング~

業務がやりづらい真因にたどり着いたら次に対策を検討していきます。

 

前回『納品情報の入力は全て手入力で行っている』ことが真因であることがわかりました。

 

対策を検討するときは1つの対策に絞る前に、たくさんの対策を案出ししていくことが大切です。

一人の思い込みで1つの対策を進めるのではなく部署のメンバーで色々な切り口で対策案を出し合うことが重要です。

 

QCでは、ブレインストーミングという方法をとります。

ブレインストーミングとは複数人で意見を出し合う方法です。

 

ブレインストーミングのメリット

複数人でアイデアを出し合うことで、

✔ 一人では思いつかなかった良いアイデアが出る
✔ アイデアが連鎖してより良いアイデアとなる

ポイント

✔ 他人の意見やアイデアを否定しないこと
✔ たくさんのアイデアを出し合うことが重要である

 

ブレインストーミングのポイントは“他人の意見を否定しないこと”です。

ブレインストーミングではたくさんのアイデアを出し合うことが目的です。

アイデアとアイデアを組み合わせることでいいアイデアになる可能性もあります。

各自考えた対策をざっくばらんに話し合いましょう。

 

もし一人で業務改善をやる場合も考え方は同じです。

『こんなの無理だよね・・・』とかは思わずに考えられるアイデアは思いつくだけ紙に書いてみましょう

真因に対して対策を考える~対策の検討~

ブレインストーミングで出された意見の中から対策になりそうなアイデアをいくつかピックアップします。

今回の例では『納品情報の入力を全て手作業で行っている』ことへの対策です。

 

例えば、

意見1『手作業からQCコード読み取りに変更する』

意見2『納品データを仕入れ先から所定フォームでもらい社内フォームとリンクさせる』

意見3『納品確認者と入力者を分ける』

といった意見が出た場合、どれを採用するか検討していきます。

 

各対策項目に対して(対策に必要な)費用・対策効果・対策期間など項目を決めて点数付けしてみます。

参考記事:対策方法の検討

本記事は、◆ 問題解決型のフレームワーク◆ QCストーリー と QC7つ道具 実践例紹介◆ QC教育初級者レベルについて記述しています。 なお、事務系ビジネスパーソンの方は、以下も御覧いただけれ[…]

QCストーリー

 

今回の例で言えば、

『手作業からQCコード読み取りに変更する』

『納品データを、仕入れ先から所定フォームでもらい、社内フォームとリンクさせる』

→ QRコードを読み取るハンディの導入、社内フォームとのリンクのためにシステム開発が必要 etc

などが考えられます。

 

費用が掛かる場合は、費用の目安対策効果(業務時間削減効果)比較してみましょう。

 

今回の例では『手作業からQCコード読み取りに変更する』という対策を実施することにします。

但し、QRコードの読み取りのシステム導入までに時間がかかる場合は、対策が完了するまで『納品確認者と入力者を分ける』というように、暫定対策として採用してもいいと思います。

1つの業務改善をしていく中で、対策を掛け合わせて最短で効果を出していくことが大切です。

業務改善対策の実施

前回決定した対策を実施していきます。

ここで重要であるのが、しっかりスケジュールを立てて対策を始めることです。

参考記事:活動計画の作成

本記事は、◆ 問題解決型のフレームワーク◆ QCストーリー と QC7つ道具 実践例紹介◆ QC教育初級者レベルについて記述しています。 なお、事務系ビジネスパーソンの方は、以下も御覧いただけれ[…]

QCストーリー

対策が決まると早く進めたくなってしまいがちですが、『手作業からQCコード読み取りに変更する』までのプロセスを確認して、各項目に期日を設けましょう

期日を決めずに進めてしまうとスケジュール感がつかめなくなり、何かトラブルがあった際もそのまま対策がうやむやになってしまう原因にもなってしまいます。

 

今回の例で言えば

 

①QRコード生成ソフトの導入

②QRコード生成元データ作成

③読み取りハンディの購入

④QRコード読み取りテスト

⑤データ反映確認

⑥テスト使用

 

といったステップが考えられます。

もし複数人で業務改善を実施する場合は、各項目に担当者を決めるとお互いが進捗をフォローしながら、進めることが出来るのでより良いです。

業務改善完了後にやりたいこと

無事に業務改善が完了し『納品情報の入力を手作業からQCコード読み取りに変更する』ことに成功しました。

これまで手作業でかかっていた時間は短くなり一人でも業務をこなすことが出来るようになっていると思います。

 

ですが、『業務改善も無事に完了して良かった!』で終わってしまうのは勿体ないです。

 

業務改善をしたら今後は元の状態に戻らないような工夫をしたほうがベターです。

 

QCで言うと、歯止め、標準化と管理の定着です。

参考記事:歯止め効果の検証

本記事は、◆ 問題解決型のフレームワーク◆ QCストーリー と QC7つ道具 実践例紹介◆ QC教育初級者レベルについて記述しています。 なお、事務系ビジネスパーソンの方は、以下も御覧いただけれ[…]

QCストーリー

 

今回の例で言えばQRコード生成のマニュアルを作ったりして、誰でも同じように業務が出来るようにすると良いです。

自分だけで改善が終わってしまうのではなく、代行者や今後引き継ぎをするときも改善内容が正しく伝わるような歯止めをします。

歯止めと標準化により定着ができれば、1度実施した業務改善が自分だけではなく職場全体の財産になります。

業務改善のプロセスを日々の仕事へ応用する

工場の女性総合職

QCと聞くと技術系の仕事のイメージですが、QCは、事務系の業務に対しても業務改善に利用出来ます

 

業務改善を行う場合は複数人で意見を出し合ったりして、真因の追求、対策の検討、対策の実施、歯止めを行います。

自分の日々の業務の中でもこのプロセスの中から少しずつ応用できる部分を探してみましょう

 

仕事を進めていく上で分かりづらい、時間がかかる、やりづらいと感じている部分に対してはQC的な考え方で簡単に改善することが可能です。

 

例えば人事担当者が、自社の社員に対して色々な書類を書いてもらうことが多いと思います。

人事関係の書類は記入する項目がわかりにくい場合が多くため、記入ミスのチェック~修正依頼が欠かせないということもあると思います。

 

修正依頼をすることで期限ぎりぎりになり、提出期限直前に担当者が残業することになってしまったりするかもしれません。

 

そういった場合でも、QCの考え方を転用すれば、簡単に業務をスムーズにこなせるようになります。

たとえば、以下のようなフローです。

 

記入ミスが多くなってしまう理由を“なぜ?”を繰り返して考える
↓記入例が簡易的でわかりづらいので記入例の見直しをする

 

といったようにQCの考え方を転用することで、日々の業務をやりやすくすることが出来ます。

 

以上の例では、自分の作業時間の短縮だけではなく、後工程(書類記入者)からの満足度もあがります。

QCでは“後工程はお客様”という考え方があります。

後工程であるお客様に喜んでいただけるサービスや製品を提供できるように自分の業務の責任を果たすという考え方です。

後工程というと製造ラインのようなイメージですが自分の後に仕事をする人、自分の仕事の結果を受け取る人全てがお客様になります。

後工程はお客様という意識をもって日々の仕事をこなしていくと、自然と自分の業務改善にも繋がることが多いと思います。

QCの考え方を取り入れて仕事をやりやすくしよう

事務系にも応用できるQCの考え方をご紹介しました。

QCと聞くと難しそう、理系の業務でやることでしょ?と思うかもしれませんが、業務改善のプロセスや根底にある後工程はお客様という考え方は事務系業務にも応用可能です。

ファイル

筆者自身、入社当初は引き継いだ仕事を引き継いだまま行うことが多かったです。

しかし、QC検定を取得し、QC的なものの考え方が出来るようになってからは、日々の小さな業務改善周りを巻き込んでの業務改善が出来るようになりました。

業務改善をすることで自分が楽になるだけではなく、後工程や後任者からも感謝されています。

QC的な考え方を取り入れて日々の業務のやり方を見直してみてはいかがでしょうか。