本記事のポイント
対象読者:
・初めて外資系転職に挑まれる方
・外資系も視野に入れた転職検討中の方
本記事のトピックス:
■ 外資系企業の企業研究の方法
■ 外資系企業の選考内容や面接対策
■ 外資系企業の働き方・風土・待遇
■ 万が一クビになったらどうなるか?
■ 入社後にどんなスキルが求められるか?
初めての外資系転職は不安がつきまとうのは当然
あなたは、このような悩みを持っていませんか?
- 外資系の転職は未経験だけど通用するの?
- 外資系の転職って地獄?後悔しない?
- 外資系の向き・不向きな人の特徴ってなに?
このような悩みをもつことは、あなたはとても優秀です。リスク回避能力が携わっているからです。
実のところ、外資系転職では「相性」が重要なのです。相性や適性に関する悩みをもつことは当然のこととも言えます。
外資系の相性の例
- 外資系一般のカルチャーとの相性(転職が多い、解雇があるなど)
- 転職先企業がもつ価値観との相性(カルチャー、業務スキルなど)
これは私だけの持論ではありません。外資系勤務する人であれば感じるところがあるからです。
外資系IT企業に勤めたいが不安、という人がいたのでエア回答してみたけど、とにかく適性を問う。
やめとけと言ってるわけじゃない。
でも適性を問う。
転職にためらいがない、業界の人脈を作れるのが楽しめる、自分にしかない技術や職能がある(もしくは作る意欲がある)、あたりがないと厳しい。— 梧桐彰 / Akira Goto (@AkiraGoto_NLB) May 28, 2021
外資転職の情報不足が失敗を招く
外資系は日系企業以上に、相性や適性が重要です。
情報収集こそがカギ!
特に、警鐘を鳴らしたいことがあります。
残念ながら検索上位にあるWeb上にある外資系転職に関する情報の中にも、信憑性が欠ける情報が多々あります。
特に執筆者自身の体験に基づかない、一般的な情報を焼き増ししたような外資系評には気をつけて下さい。
信憑性に欠ける情報を元に転職検討しても、その先に待ち受けるのは地獄です。
外資系と言っても、会社によります。
そこで、これから紹介するような情報収集のステップをしっかり踏めば、過度に恐れる必要はありません。外資系企業への転職も成功するには情報収集が最も重要です。
なおかつ、情報は正しいものを選択するよう心がけましょう
まずは、私がなぜ外資系に転職したのか、最初に自己紹介させてください。
本記事筆者の経歴
私は新卒で日系自動車メーカーに入り、エンジニアとして自動車の燃費向上についての研究開発に携わっていました。
若手ゆえの安月給や、社内のギスギスした人間関係にも疲れ、「待遇&環境」改善を求めて5年目に転職を決意。
試しに米国系の外資系企業へ転職を目指すことになり、面接では盛大に背伸びして、まさか最初に受けた一社から内定。
特に英語は喋れるわけでもなく(TOEICが540点とかなり低い!)、カルチャーの違いもあって最初の半年がかなり苦労しました。
しかし、私はかなりが運が良く、社内の新規Job Openなども重なり、当時の日本支社最速昇進を達成。
入社からわずか3年で年収が400万円近く上昇し、ついに1,000万円を超え。社内でも「エース社員」と呼ばれるようになりました。
そして、コロナ禍の2021年に業界トップの外資系企業に再転職!
何かとイメージ先行で怖がられがちな外資系ですが、慣れればもう日系企業に戻れません。労働環境も優れているところも多いです。
筆者は「外資系はどんどんトライしたら良い」と考えています。
志望企業の情報収集をしよう
個人的な意見ですが、日系・外資系問わず、新卒よりも中途入社は特に情報収集が重要だと思っています。
実のところ、中途採用者の離職率は新卒よりも高いという調査報告もあります。(※1)
「しっかり定着できる会社なのか」という観点で、情報収集をするべきだと思います。
- 中途入社のよくある問題
- ■ 新卒と比べて新人研修制度が未整備
■ 即戦力としての期待が過剰である
■ 新卒生え抜き社員が優遇される社風
※1 中小企業庁データより https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H27/h27/html/b2_2_2_2.html
外資系と言っても会社はいろいろ
外資系と言っても、ひと括りにして考えることは難しいです。
カルチャーは会社によって大きく異なるからです。
本社が米国なのか、欧州なのか。あるいは中国や韓国なのか・・・
本社の文化が日本支社に降りてくるのか、日本支社で独自文化を形成しているのか・・・
本社の意思決定が絶対か、あるいは日本支社である程度の権限があるのか・・・
風通しがよいか、自由闊達か、欧米らしい企業文化か、日系企業のような文化か・・・
外資系と言っても会社によって社風も価値観も多種多様である、ということです。
本記事では外資系の大まかな傾向についてお伝えしますが、情報収集は個々の企業については各自でしっかりと行わなければなりません。
情報収集の方法
口コミサイトから情報を得る
1つ目は、転職口コミサイトの活用です。少なくとも2サイトは必ず確認するべきです。
外資系に関わらずですが、必ず転職口コミサイトに目を通し、従業員の口コミを確認しましょう。
特に、OpenWork(旧Vorkers)と転職会議の2サイトは必須です。キャリコネもよいかと思います。
2サイト以上確認するべき理由
最も口コミ数が多いのは、OpenWorkです。
しかしながら、私が2サイトの確認が必須と言っている理由は、口コミ情報の信ぴょう性を一定程度確保するため、”サンプル数”をできるだけ増やすことが望ましいからです。
また最近、OpenWorkの評価スコアが必要以上に高めにレーティングされている印象をうけています。
時期によって変動が大きかったりするので、評価スコアに惑わされないためにも、複数サイトを確認することを推奨します。
本国の口コミサイトを見るのもよし
また、外資系は本社が持つ風土の影響を受けやすいため、可能であれば本国の口コミサイトもできれば確認するといいかもしれません。米国であればIndeedやGrassdoorを確認することで、本社の社風が確認できます。(但し、口コミ登録が必要となるため、ハードルは高いかも)
転職エージェントから情報を得る
2つ目は、外資系転職に強い転職エージェントサービスを活用するべきです。
外資系企業は情報不足との戦いです。多くの場合、企業説明会を実施しないことも多いので、詳しい人から情報を得ながら候補を検討していくことになります。
特に後述しますが、選考がやや特殊である場合もあるため、転職エージェントの活用は絶対に必須です。
外資系案件が得意なエージェントを活用しよう
外資系企業案件の取り扱い経験が豊富なエージェントを選びましょう。
オススメは、JAC Recruitment、ロバート・ウォルターズ、エンワールド、Samurai Jobです。
個人的には、JAC Recruitmentに大変お世話になったのでイチオシです!面接対策や会社情報も非常に有効で、正に「かゆいところに手が届く」と言う感じ。
ロバート・ウォルターズは、英語力が必須になりますが、英語ができる人はこちらを好んで利用されることが多かった印象があります。
もし、理系の転職であれば、外資特化ではありませんがメイテックネクストさんも技術バックグラウンドに長けているので有効かもしれません。私の1社目の外資系転職は、メイテックネクストさんが導いてくれました。
外資系案件が不慣れなエージェントは避けるべし
なお、外資系案件に不慣れなエージェントはできるだけ避けましょう。
一度、大きなトラブルに巻き込まれたことがあります。
後述するリファレンスチェックで、現在勤務している会社に転職が直属上司にバレてしまったことがあります。
転職エージェントが正確に情報を伝達しなかったことが原因ですが、外資系ではこの選考方法はよくあること。
特殊な選考も多いなか、このエージェント担当者の情報はほとんど役立たないばかりか、逆にトラブルが発生する原因となってしまいました。
外資系企業の選考ってどうなの?
外資系の選考は特殊なケースがあります。
どのような面接内容となるか、あまり公開されていないことも多いので、転職エージェントに確認しながら進めると良いでしょう。
・ケース面接
・口頭試問(数学等)
・英語面接
・プレゼンテーション
・リファレンスチェック
など
英語面接の有無は会社による
英語面接の有無は会社によります。
私が経験した外資系2社の社長は、すべて外国人でした。しかし、日本語も話せます。
また、英語面接の有無は、個人によっても変わる部分もあるかもしれません。
初めて転職した外資系企業では、英語が「できる」、あるいは「少しならできる」と回答していた人は、全て英語面接がありました。
しかし、私は予め、「英語できません!」と面接前に転職エージェントに宣言していたので、結局想定していた英語面接はなかったです。
一次面接では、どれくらい出来ないかを確認するために、「TOEIC」の点数を確認されました。
私はTOEICを大学院入試のときに1度だけ受けましたが、そのときは540点。
一次面接で点数聞かれて、「あ、こいつホントに英語できねーんだな」って思ったのでしょう(笑)
英語に自信がなければ、「できません」って、はっきり言っておいても良いのかもしれない、と思います。
それよりももっと光る経験や知識があれば、英語以外の採用理由が生まれるかもしれません。
まぁ、そもそも英語力が常時必要となる外資系企業の場合は、筆者の英語力ではおそらく面接にも呼ばれないと思いますね。
意外と学歴主義な部分あり(主に新卒)
ご存知かもしれませんが、米国や欧州含む、外国ほど「学歴主義」「成績主義」が強い傾向がある印象を受けています。
実際に、私が勤務した米国系企業の選考でも、学歴も確認するようにお達しが出ていました。
もし詳しく知りたい方は、以下の記事が参考になるかも知れません。
具体的な大学名も記載しています。
>> 「学歴」は就職や転職に影響するのか?〜採用経験者の体験談も交えて〜
リファレンスチェックに要注意!
リファレンスチェック/バックグラウンドチェックは、前職(現職)での働きぶりを確認したり、応募書類に嘘偽りがないかを確認するために実施されます。
つまり、前職(現職)の同僚や上司へインタビューが実施されるのです。
そのため、前もって準備が必要になる可能性もありますので、転職エージェントなどから先立って情報を得る必要があります。
リファレンスチェック/バックグラウンドチェックについて詳細を知りたい方は、以下の記事が参考になると思います。
>> バックグラウンドチェックで落ちる?外資系最後の関門について解説します。
外資系企業に転職した後は?
最初の半年〜1年は辛抱の日々
当然のことながら、新しい会社に入社するということは、新しい知識も覚える必要がありますので、入社直後は大変です。
それに加えて、外資系については、Up or Outと呼ばれる、昇進競争が強い風潮があります。
そのため、昇進競争や外資系独特のカルチャーに慣れ親しむことが必要かも知れません。
しかしながら、外資系ならではですが、非常に風通しの良い社風であり、助け合いの文化があります。
また、家族主義・プライベート主義が根付いており、他人を尊重する文化があります。
そのため、同僚が仕事で苦しんでいても助けを貰いやすく、成果主義とはいえ周りのサポートが得やすい環境と言えるでしょう。
私の初転職時の生々しい記録ですが、以下の記事が参考になるかも知れません。
>> 初めての外資系転職を経験! ~外資系はかなり地獄だった~
「良好な人間関係」の構築はプライオリティ高めに
私の経験上、良好な人間関係が築けるか否かは、その会社での生き残りにも大きく関わると思います。
また、上司からのレビューも、チーム・メンバーの評判とリンクすることがあります。
意外と数字だけではないのが外資系企業です。
日系企業だと、ギスギスしたところで解雇、なんてことは有りませんが、外資系だとやや不利かなぁと言う印象です。
1年を過ぎるとまったりホワイト企業に
うまく1年やり過ごせば、Up or Outの基準がなんとなくわかってきます。
・成績
・勤務態度
・社内での評判
✔ 自分ではどうしようもない部分
・ヘッドカウントの削減
・部署削減
外資系企業の社員は前者のみに注意をはらい、後者については諦めが肝心です。
ただ後者といっても、日本は簡単に解雇ができないので、頑張って粘れば残れます。
とはいっても、あまり待遇が好転する可能性が高いので、退職パッケージが貰えるなら新しい機会を探すのも良いのではないかとも思います。
仕事や社風、カルチャーに慣れてくると、ワーク・ライフ・バランスの調整にも余裕が生まれてきます。
日系企業と比べて一般的に、風通しもよく、人間関係や労働環境にも優れているように感じます。
仕事も軌道に乗せられれば、外資系生活が満喫できるのではないでしょうか。
あわせて以下の記事もご参考にしていただけるかも知れません。
>> 外資系はホワイトだ!外資系社員が職場環境が「最高」だと思うワケ
外資系企業で求められるスキル
外資系企業といってもいろいろな会社があるので一言で言い表せないのですが、誤解も多いのかなと思います。
なので、誤解に対する検証を少し列挙してみたいと思います。
英語よりも「経験」や「技能」
あたかも、「英語ができないと門前払い!」という事を書いている転職情報サイトなどがあります。
しかしながら、先述した私の経験上、必ずしもそうではないことがわかります。
また、私が採用を担当していた時期もありますが、英語が必須条件としてしまうとほとんど応募が来ないという実情があります。
「英語縛り」をすると、ほしい人材像に当てはまる人と出会えない可能性が高い、ということです。
そのため、実は「英語力」の優先順位が低く設定している外資系企業も多くある、というのが事実です。
殻を破る「度胸」が評価される
私の在籍していた会社では、よく「Comfortable Zoneからどんどん出ていけ!」と毎日のように言われていました。
なので、新人教育の一環として、いろいろな教育プログラムが用意されている会社が多いと思います。
たとえば、
✔ 入社間もない人が社内プロジェクトのリーダーをする
✔ 英語をしゃべれない人が全社会議でファシリテーション
✔ 年次の浅い人が、ベテランに向けて新製品の技術プレゼン実施
などでしょうか。
よく外資系は「成長速度が早い」とも言われますが、このようにストレッチさせる育成プログラムを実施している会社が多いです。
ある意味、度胸が試される機会が増えると言ってもいいでしょう。
また、このようなカリキュラムは、必ずしも成功することが目的ではありません。
仮に失敗したとしても、過程が重要視されることが多いと思います。
しっかり頑張って、ちゃんとプロセスを踏んで実践しておれば、その事自体に評価が下ることが多いと思います。
外資系企業の向き不向きや求められるスキルは以下の記事に詳述しています。よかったら参考にしてみてください。
>> 外資系転職/就職:向いている人はどんな人?待遇や英語力について解説
むすび
外資系への就職は様々な憶測が飛び交っていますが、外資系といえども会社によります。
そのため、その会社が面接でどのような特徴があり、何が求められているか、しっかりと事前調査が必要でしょう。
私は、そのあたりの調査には、転職エージェントサービスを活用すべきだと思います。
また、入社後のイメージが重要です。転職全般に言えますが、転職はあくまで自己実現を達成するための手段。
入社後に自分がどのように活躍するか、自分のどのようなスキルが活かせるか、しっかりとイメージを持つことが重要です。
しっかりとイメージが持てれば、きっと外資系企業の働きやすさ、相互尊重をする外資系の風土はきっと居心地がよく、大きな成長に結びつくかと思います。
頑張ってください!