・外資系の転職を検討している方
・外資系の職場環境をお知りになりたい方
最近、外資系企業での労働環境について誤った情報が出回っている気がします。
例えば。
外資系は・・・
・すぐにクビを切られる
・成果しか見られない
・英語は必須
・昇進や出世が難しい
などなど。
転職サイトや転職のプロと称する方々が、外資系の不安を煽る記事を沢山書いています。
でも大概、外資系で働いたことがない、か、商材のためのポジショントークではないでしょうか。
当サイトでは、外資系企業も、日系企業と同じくらいに皆さんへ門戸が開かれていることをお伝えしたいと思っています。
僕が外資系はホワイトな勤務環境が多いと思う理由
外資系とて、日系と同じでブラック企業〜ホワイト企業までたくさんあります。
そういうところは、Openwork や 転職会議を使ってリサーチすれば、ある程度わかります。
なおかつ、私の経験上、総じて給料が高めで、人間関係で悩むことも日系企業よりも少ない印象をもっています。
<参考サイト>
私の勤務経歴
本記事では、私が在籍した日系大手企業と外資系の労働環境を比較しています。
私は日系企業1社、外資系企業2社を経験していますので、簡単に経歴をご紹介します。
1社目:日系大手自動車メーカー
※写真はイメージです。
私が1社目に在籍したのは、世界的にも有名な自動車メーカーです。
有給取得率は100%で福利厚生も充実していますが、労務環境が良いとは言えず。
職場委員に任命され(させられ)て知ったのですが、メンタル系の罹患率が10%と非常に高い。
組合が強く会社都合退職が皆無であるが、人材の流動性が悪く、人間関係で苦労する人が多い印象。
2社目:米国系コンサル
業界3〜4番手をうろちょろしているコンサル会社。数年勤務で年収1000万円突破。
ジョブ型だから、自分のやるべきことを完了しておれば、自由な文化。定時退社も多い。
前職と異なり、人間関係で軋轢を生むことは皆無。ストレスフリーな生活。
成果主義だが、会社からのサポートが多い。英語力の有無は評定に入らない。
3社目:米国系コンサル
業界1番手に転職。同じくジョブ型。
米国系だから同様な文化だが、前職よりはやや日系寄りな雰囲気(意外だった)
同じように、やるべきことをやっておれば自由。人間関係はストレスフリー。
最初さえ乗り切れば、あとはホワイト
私が一番つらかったのは、2社目の最初半年間だけでした。
入社時は確かに大変で、周囲も優秀で、外資系の若くて自由な社風に慣れることが大変でした。
詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
記事のポイント想定読者: 初めて外資系企業の転職を考えている人 外資系企業の内定をもらっている人記事のトピックス: ■ 入社直後から始まるサバイバル ■ 高学歴ばかりが集まる頭脳集団 ■ 同僚と先輩をしっかり味方に[…]
最初が大変なのは何処に転職しても一緒
よく考えてみると、どんなに経験があるビジネスマンでも、最初1年は新人。
業界知識は豊富であっても、オペレーションの方法も社内ツールも全く違います。
だから、外資系だから特別に大変だ、と構える必要はありません。
慣れるまでの速度が比較的早い
だいたい一年以上在籍すれば、おそらく仕事もある程度慣れてきます。
外資系企業の多くはジョブ型なので、自分の職務範囲が明確に示されていることが多いです。
だからこそ、明確に決められた仕事を一気に覚えるので、成長速度が早いのです。
よく言われる「成長速度が早い」というのは、明確に職務範囲が定義されているからなんだと思います。
外資系の労働環境が優れているところ
では、転職して独り立ちしたあと、具体的に外資系の労働環境が優れているところを挙げてみます。
他人を尊重する文化
最近は「多様性(ダイバーシティ)」と日本でも叫ばれていますが、この分野は海外のほうが四半世紀ほど先に進んでいます。
これは当然です。
つまり、外資系企業の本社がある海外は概ね移民が多く、特に米国は多民族国家です。
様々な宗教、文化、考え方が入り交じる社会。つまり相手の価値観が自分のものとは異なることは当たり前。
仕事を円滑にすすめるためには、互いの違いを認め合い、受け入れ、褒め称え合う必要があります。
もう少し詳しく整理すると、以下です。
・人種や性別に問わず、機会はみな平等
・女性らしさの尊重(=違いの尊重)
・父親・母親らしさを尊重(ファミリーファースト)
・成果(結果)に至るプロセスは問わない(=個人の特性の違いを尊重)
・相手の成功はたくさん褒め称える
他人を尊重する文化は、若いマインドや自由闊達な職場を醸成します。
私は、他人を尊重する文化こそ、日系企業と外資系企業の最も異なる部分だと思います。
勤務時間が短い
先述の「他人を尊重」にも挙げましたが、成果物を作り上げるプロセスは問われません。
裏を返せば、成果物が完成すれば、業務を早く切り上げられます。
私が初めて転職した際、1日の標準労働時間は7時間と定められていました。
通常、8時間業務が多いので、他社よりも1時間短いのです。
加えて、勤怠管理も徹底されており、月20時間を超えると上司への報告も課されます。
残業申請自体は厳しくありませんが、会社としても早く業務を終えるべき、と考えていました。
給料が高い
イメージ通りかもしれませんが、給料水準が高いです。
新卒1年目から600万超えは当然のようにあります。
また、昇給カーブもなかなかのもので、入社数年で1000万円に届く会社も多いです。
給料が高く、勤務時間が短いということで、お金を稼ぐ効率が良く、自分の時間も作りやすいです。
外資系の労働環境&待遇 > 日系の福利厚生
福利厚生については、外資系は弱いとよく言われます。
また、退職金も日系に比べて少ないとも言われます。
しかしながら、外資系も福利厚生パッケージに加入している会社が多いです。
たとえば、
・XIV(エクシブ)やラ・フォーレ等の高級会員制リゾート施設
・RELOクラブ等の福利厚生サービス
・自社株の付与
などです。
日常的に利用するサービスについては福利厚生も整備されていることも多く、日系大手と遜色ありません。
もちろん、社員向け住宅ローン等の福利厚生などはありませんが、その分を超える程度に給料は設定されています。
また米国系企業を中心に、年次に合わせた自社株の付与が毎年行われている会社も多いです。
退職金や経済的な福利厚生が少ないと言われがちですが、自社株付与はそれを補填するくらい大きな収入になります。
外資系へのよくある誤解
外資系が完璧な労働環境を提供しているわけでは有りません。
しかしながら、巷でよく言われる外資系の噂は誤解も多く、多くの転職者の挑戦機会を奪っている可能性があります。
少し見ていきましょう。
クビになりやすいという誤解
よく言われることですが、外資系はクビになりやすいという評判。
たしかに外資系は人の出入りが激しく、人材も流動的であるのは事実です。
転職する人が多いので、その様子に不安を感じることもあるでしょう。
日本の法律が適用されている
結論として、会社は一方的な解雇はできません。
外資系といえど、日本の法律を遵守する必要があります。
外国では解雇が一般的でも、日本では会社都合であっても双方合意が必要です。
例えばこんなケースがありました。
Aさんはベテラン社員で優秀な管理職。
ある年、米国本社の以降で、世界中の支店で平均年齢の押し下げを目的とした人員整理が行われました。
Aさんも45歳を超えていたため、解雇通知を受けてしまいます。しかしながら頑なに拒否を続けたのです。
3ヶ月間の交渉を経ましたが、これまで真面目に仕事を行ってきたので、妥当な理由が見当たらない給料ダウン提示や悪いポジションへの異動は一切認めず。
結局、会社は解雇通知を取り下げ、従来と同じ地位のポジションへ異動しました。その後昇進し、今は部長職です。
勿論、条件が保てる確実な保証はないかも知れませんが、拒否すれば会社は解雇通知を押し通すことはできません。
無理に解雇した場合は、行政指導が入ります。加えて、裁判沙汰になったら会社側の負けです。
会社都合退職時は、多額の退職パッケージを受け取れる
仮に、会社都合退職を受理した場合でも、多額の退職パッケージがオファーされるのが一般的。
在籍年数が短くても、会社都合退職になった場合は半年〜2年分の給料相当額が提示されることが多いです。
また、転職先が決まるまでの間、在籍期間の延長を求めることもできます。
仮に退職しても、すぐに次が決まる
クビというと結構及び腰になってしまいますが、あまり深刻に考えなくても大丈夫。
外資系だと、会社都合退職はよくあること。
能力不足以外にも、人員削減、日本撤退、部署撤退など、たくさんの理由があります。
深刻に考えなくても大丈夫、と言ったのは、会社都合退職の多くは、会社のお財布上の問題によるもの。
つまり、次の会社の人事も、「外資系だとよくある話ね」と、あまり気にも留めない事が多い。
では、実際の例では、会社都合退職のあと、どのような転職先となるのでしょうか。
とある米国系の中堅機器メーカーの実例を以下にまとめてみます。
・Aさん
2年在籍で成績不良により、会社都合退職受理
→アイルランド系のコンサル会社へ転職
・Bさん
成績未達が慢性化し、会社都合退職受理
→アイルランド系コンサル会社へ転職
・Cさん
3年在籍で成績不良により、会社都合退職
→GAFAM転職(同様の方が、もう1名いる)
・Dさん
3年在籍で人員整理により、会社都合退職
→米国系のトップ戦コン転職(MかBです)
・Eさん
部署撤退により、会社都合退職
→ドイツ系ソフトウェア会社転職
・Fさん
5年在籍で成績不良により、会社都合退職
→AIベンチャーへ転職
この会社は世間的にも特段有名な企業では有りませんが、転職先は実に豪華な顔ぶれが揃っています。
勿論、みんな優秀ではありますが、成績不良での会社都合退職であったとしても、転職には影響が出ていません。
当然ですが、会社側も転職サポートをします。
会社によっては、専属の転職エージェントをつけてくれることもあります。
成果だけを見られているわけではない
よく、「外資系は結果だけが評価され、途中のプロセスは見ない」と言われますが、これは大きな間違いです。
やり方を問わないだけで、努力量(アクティビティの量)も勘案されています。
また、日々の活動でしっかりアイデアを持って動けているか、論理的なプラン建てができているか、そういった途中プロセスもしっかり評価されています。
外資系は合理主義です。
つまり、合理的にビジネス活動をしているにも関わらず数字に結びつかない場合は、会社がアサインした業務内容自体に誤りがある可能性があるということです。
最終的な数値だけではなく、途中プロセスもしっかりトラックすることは、会社にとっても健全で合理的であるのです。
外資系転職はどんどんトライするべきだ
もし貴方が、外資系企業に採用される力があるならば、過度にデメリットを考えなくても大丈夫。
逆に、せっかくの成長機会や給料アップのチャンスがあるのに、トライもしないのは余りにもったいない。
少しでも外資系に興味があるのであれば、話を聞いてみたら良いと思います。
外資系は転職エージェントを使ったほうが良い
私は、外資系に関しては転職エージェントが必須だと思います。
転職回数によらず、外資系に強いエージェントを活用するべきです。
以下に理由を述べます。
初めての外資系転職→外資系企業のイメージをつける
まず外資系の業務がどういうものか、話を聞いてみましょう。
腹を割った話を聞きたいのであれば、転職エージェントがいいです。
直接応募して、カジュアル面談をお願いする方法もありますが、実質的に選考していることも多い為です。
企業によって独特な選考過程
外資系の特徴でもありますが、会社によって選考内容が結構独特であったりします。
ケース面接、筆記テスト、プレゼン…まぁ、色々とあります。
転職者向けの面接口コミは新卒ほど多くないので、情報入手は転職エージェントを活用しましょう。
特に経験豊富なエージェントは、各面接の選考内容や対策方法をしっかりと教えてくれます。
リファレンスチェックがある場合も
[blogcard url=]ポイント 外資系転職でよく実施される、最後の関門、「バックグラウンドチェック」について解説します。 [word_balloon id="unset" src="https://bbtokyo.net/w[…]
外資系ではよくありますが、リファレンスチェック(バックグラウンドチェック)という選考プロセスが求められることがあります。
・リファレンスチェック:在籍中の現職(退職済みであれば前職)から数名の代表者を選び、職務内容や勤務態度の聞き取り調査を目的として実施される
・バックグラウンドチェック:在籍確認などの確認で、主に履歴書の虚偽有無を確認する目的で実施される
これらのチェックは、場合によっては対象を指定されることも有り、筆者は直属上司と人事責任者が指定されたことがあります。
リファレンスチェックがある場合、前もって準備や対応する必要もあります。
特に、正式な内定が出る前にリファレンスチェックを課せられることが一般的なので、在籍中であれば現職場への退職届の提出タイミングに戸惑いを覚えると思います。
このあと、本当に内定がでるのか。いまどうすべきか。
こういう部分をしっかりと外資系転職の経験豊富な転職エージェントに相談しながら、進めていく必要があります。
外資系転職で活用したいサービス
外資系転職には、外資系に経験のある転職エージェントサービスを選択するべきです。
色々と外資系転職で経験した私が、強く登録を推奨するサービスを紹介します。
ハイレベル求人サービスでは、レジュメの提出がないと十分なサポートが得られない可能性があり、最悪の場合、審査落ち(案件紹介がないと断られるケース)の可能性もあります。
BIZREACH(ビズリーチ)
こちらはハイクラス人材向けのビズリーチ。審査をパスした人だけが利用できます。
なおビズリーチは転職サイトであり、転職エージェントサービスではありません。
レジュメを登録し、あなたに興味を示したハイクラス求人を取り扱う転職エージェント、あるいは企業からアプローチを受けられるサービスです。
通常の転職サイトと異なるのは、ハイクラス求人紹介にターゲットが絞られていること。
外資系転職の多くは、ハイクラス求人にあたりますので、効率的かつ効果的な転職活動を行う上で、登録必須と言えるでしょう。
JAC リクルートメント
JACリクルートメントは、ハイクラス求人を扱う転職エージェントサービスです。
私も二度目の転職でお世話になりましたし、以前は採用者側で活用しておりました。
特徴は、非常に優秀なエージェントが多数在籍しているということ。
求職者の特性や希望に非常にマッチした、ハイレベル求人を紹介していただけるのが特徴です。
勿論、転職面談など、詳細で的確な情報をいただくことが出来るので、非常にお薦めな転職エージェントサービスです。
エンジニア専門 メイテックネクスト
メイテックネクストは、「エンジニア転職」に特化したエージェントサービスです。
エンジニアの業務内容や特性への造詣が深く、求職者に応じて様々なキャリアの可能性を提示してくれます。
異業種・異職種の転職にも詳しく、面接対策や給与交渉にも積極的に対応していただけました。
もしあなたが技術者、ITエンジニア、あるいは理系バックグラウンドをお持ちであれば、メイテックネクストへの登録をオススメします。
アーシスジャパン
アーシスジャパンも非常に優秀な転職エージェントで、採用時によくお世話になりました。
対応できる年齢層も広く(20代の優秀ビジネスマンから、50代のエグゼクティブまで)、取り扱う職種も幅広く対応できるのが利点です。
非常に幅広い求人を扱っており、転職サイト「キャリアカーバー」では求職者満足度No.1に輝くなど、求職者に寄り添った非常に満足できるサービスを展開されています。
英語を活かす転職 ロバート・ウォルターズ
もしあなたが、英語を活かした仕事を検討されている場合は、ロバート・ウォルターズへの登録を推奨します。
ロバート・ウォルターズ社は、「英語」「グローバル人材」に特化したエージェントサービスと言え、英語を活かす転職が目的であれば、登録されるとよいでしょう。
特化されている分、外資系企業には精通しておられ、実際に外国人の転職エージェントも多く在籍されています。
むずび
今回は職場環境に絞ってお話をしましたが、外資系で勤務するメリットはまだまだあります。
多くのメリットが有るにも関わらず、外資系転職=怖い、というイメージが植え付けられ過ぎ、敬遠される傾向が高い気がします。
しかし、外資系は労働環境にも優れ、モチベーション向上や成長速度が早い、給料が高いなど、非常に魅力があります。
実際問題、一方的な解雇はあり得ず、合意でのもとでの会社都合退職となります。
また、外資系企業に入社できる力がある方は、会社都合退職後の転職も、それほど苦労がないことをお伝えしました。
もし外資系企業に少しでも興味があるのでしたら、No Actionだともったいない。
せめて、転職エージェントに登録・相談をして、話を聞いてみるくらいはやってみると良いと思います。