記事のポイント
想定読者:
・人生100年時代の影響が気になる方
・プロティアンキャリアが注目される理由を知りたい方
トピックス:
■ 現在の大多数は「人生70年時代」の価値観
■ ミレニアル世代は親の価値観に違和感が
■ 現代版プロティアンキャリア形成で変化を乗リ切れ
本記事では、人生100年時代において、何故プロティアンキャリアが注目されているのか知りたい読者に向け、わかりやすく解説しています。
人生100年時代と聞いて、みなさんはどのように思われますか?

まぁなんて嬉しいの♪100年もあれば、私が好きな韓流ドラマがたくさんみれちゃうじゃないの♥

旅行とかいっぱいいけちゃいますね!楽しまなきゃ!
遊遊遊遊遊遊遊遊遊遊食遊遊遊遊遊遊休遊遊遊遊遊遊遊遊遊遊遊遊
長寿命化するわけですから、本来は嬉しいことなのです。
しかし、人生100年時代とセットで語られるのが、労働50年時代の到来です。

政府も、数年前から”働き方改革”という名前で、あらゆる施策を打ち出し始めています。
背景として、3つの変化(① 技術や商業の競争激化と急速な変化、② 新興国の台頭と日本の没落、③ 日本の社会保障制度崩壊 )により日本国民を取り巻く環境に大きな変化が訪れると予測されています。
つまり、寿命を全うする100年間を確実に安泰な暮らしが送れるのだと断言できなくなっていると、国が報告しているのです。
人生が長くなったことは喜ばしい一方で、社会保障制度やライススタイルの変化に、私達はうまく柔軟に対応しなければならないのです。

人生100年時代 を生きる「ライフシフト」の準備を

初めまして。bbtokyo.netの管理人、とりぞーです。
日系大手→外資→ベンチャーと渡り歩き、3度の転職を経験。
学び直しながら変化することで、なんとか時代の最先端に食らいついています!
私達は「自ら変化しなければ、将来は苦しむよ」という話

まず、現代の日本が置かれた状況を考えましょう。
日本の長期に渡るデフレによって栄光の日本経済の浮上は見込みが立たないばかりか、著しい人口減少のフェーズに差し掛かっています。
上図は2060年の人口構成ですが、いわゆる逆ピラミッド型となり、人口は8700万人程度、そのうちの約半数は60歳以上となります。
こうなると、残念なことに年金制度や社会保障は破綻あるいは縮小するのは明らかな話。
厚生労働省の所管機関においても、以下のような見解を示しています。
増大する老年人口を縮小する生産年齢人口で支えることは不可能だ。AIやロボットの活用によって省力化が図られるであろうが、かなりの部分は、人間の労働力に頼らざるを得ない。したがって、高齢になっても働き続けることや年金の受給年齢を遅らせることは避けがたいだろう。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 「労働政策の展望 人生100年時代の生き方、働き方」
また、日本の産業構造はEV化による自動車業界の再編が想定され、他にもIT技術革新に後塵を拝し、追い打ちをかけるように労働人口減少による慢性的な人手不足が待ち構えています。
残念なことではありますが、筆者は2020年代後半頃から日本人は大きな変化に晒されることを想定しています。
世間の価値観は「人生70年時代」のままである

政府として、以下のような考えを披露しています。
しかし、現在、私たちの生活や社会の諸側面におけるものの考え方の基準となっているのは人生50年時代ではなく、人生70年時代であることをまず確認しておきたい。〜(中略)〜 人生50年時代の働き方が、圧倒的に農業を中心とする自営業であったのに対して、人生70年時代は雇用者、つまりサラリーマンの時代である。〜(中略)〜 こうして、一定年齢に達したら就職し、結婚をして家庭を築き、子どもに勉強部屋を与えるために家を持ち、定年まで住宅ローンをかかえながら長時間労働に耐える男性サラリーマンと、子育て中は育児に専念し、子育ての手が離れたら住宅ローン返済や子どもの教育費を稼ぐためにパートに出るサラリーマンの妻という画一的なライフコースが確立した。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 「労働政策の展望 人生100年時代の生き方、働き方」
現在の世間の価値観は「人生70年時代」の考え方が基準となっているということですが、この考え方は経済成長が著しい1960年代の世相を反映したものです。この考え方が今の時代にそぐわなくなっているのは、1960年の人口構成を見ると一目瞭然でしょう。


理想的!大量の若年層が、少ない老年層を支えているね!
盤石な社会構成のもとで「人生70年時代」が生じたわけで、当時は【就職→結婚→育児→老後】というライフコースモデルを”つべこべ言わずに”突き進むのみ!、という時代の考え方が基準となっています。
つまり、人生の成功には、「高偏差値の大学へ合格」「一流企業から内定」「就社して出世する」という、各関門において難関を潜り抜けることを考えると良かったのです。
しかしながら、残念ながら我々の環境は変わりました。「人生100年時代」にアップデートしなければ、起こりうる将来の変化に耐えられず、キャリア、もとい人生そのものが失敗する可能性だってあるのです。
「親世代の価値観」に違和感をもつミレニアル世代
「親が持つ価値観に違和感を感じる」人がミレニアル世代(1981年~1996年生まれの世代)を中心に増えているようで、個人的にもミレニアル世代の一員としてこの感覚に同意します。

多様性の尊重が叫ばれ始めた世代。この世代では”キャリア迷子”が増えているそうな。
新進気鋭の社長として、最近メディアでも多数出演しているポジウィル株式会社CEO 金井氏によると、以下の動画の中で次のように言っています。
いい子でいなきゃって思ってきた人たちからすると、親には向かうなんて(意見を)言えないなっていう方がすごく多くて。親が良いって言ったから大手に入ったとか、親がいいって言ったからこの会社に入ったって、それのジレンマを抱えている20代が非常に多いなって思います。
同動画では、後述する現代版プロティアン・キャリア理論の提唱者でもある田中研之輔教授が、親世代の価値観とミレニアル世代の価値観の違いを以下のように解説しています。
親世代 | ミレニアル世代 |
大手で終身雇用 女性は専業主婦 | 男女ともに 多様な選択肢 |
多様な選択肢が与えられる一方で、ミレニアル世代にとっては”自分にとってのベストな働き方・生き方が分からない”状態に陥る「キャリア迷子」が増えたとされています。
人生100年時代は、「変化への適応」の時代
厚生労働省の所管機関では、現代の若手ビジネスパーソンの労働観から、今後のキャリアの行方と求められるスキルセットは以下のように予測しています。
人生100年時代のライフコースは、必然的に多様化し、人生の途上においてしばしば修正を迫られることになる。〜(中略)〜 人生100年時代のライフコースは、否応なしに多様化し、変化に富んだものになるだろう。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 「労働政策の展望 人生100年時代の生き方、働き方」
ベストセラーになった『ライフシフト 100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社、2016年)の中で、〜(中略)〜 100年人生を生き抜くために無形の資産を身に付けることを勧めている。それは、①生産性資産:仕事の生産性を高め、所得を増やすのに役立つスキルと知識、②活力資産:肉体的・精神的健康と良好な家族関係、③変身資産:変化に対応できる柔軟な態度と人的ネットワークの三つである。言い換えれば、①は稼ぐ力、②は生きる力、③は変わる力である。不確実性に富んだ時代に、長期化した人生を安心して幸せに暮らすには、変化する状況に適応する能力を身に付けなければならない。

まとめると、無形資産(知識・健康・つながり)を身に付けて、”変化への適応”する能力を身につけよ、ってことです。
もし詳しく知りたい方は、以下の本も参考にしてみて下さい。
現代版プロティアン・キャリアのすすめ
本サイト【bbtokyo.net】では、ライフシフトを組み込んだ、現代版プロティアン・キャリア理論を基に、実践例をお伝えします。
プロティアンは「変幻自在な」という意味で使われ、神・プロテウスが語源となります。
つまり、プロティアン・キャリアとは、変化に応じて変幻自在に形を変えられるキャリア、という意味合いです。
元々、プロティアン・キャリア理論とは、「金銭的な成功よりも心理的な成功が重要」として、ダグラス・ホール教授によって提唱されたキャリア理論です。しかしながら、人生100年時代の到来とともに、心理的成功+経済的成功の両立こそが不確実な世の中における真のキャリアの成功であると考えたのが、田中研之輔教授が提唱する現代版プロティアン・キャリアです。
プロティアン・キャリアで重要視されるのは「ビジネス資本」「社会関係資本」「経済資本」の3つとなります。
- ビジネス資本
- ビジネスリテラシー:知識やスキル
- ビジネスプロダクティビティ:生産性
- ビジネスアダプタビリティ:適応力
- 社会関係資本
- 結束型:所属コミュニティ内(強い)
- 橋渡し型:所属コミュニティ外(弱い)
- 経済資本
- 年収上昇のキャリアモデル

この3つの資本を、貯める・実行することで変化に強いキャリアが形成できる、という理論です。
特にbbtokyo.netでは、リテラシー(知識・スキル)、プロダクティビティ(生産性)、およびアダプタビリティ(適応)は3資本に跨って求められると考え、本サイトでは以下の9つのセグメントに分類してサイト設計しました。

詳細は、各カテゴリーページ、タグページにて説明する予定です。(工事中)
推薦図書
プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術
結論。変化を楽しみながら試行錯誤しましょう!
人生が伸びることは喜ばしいことです!
だからこそ、難しいことに悩むのではなく。
色々と楽しんでやろうという気概を持とうではありませんか!(演説みたい)
戦略や方向性さえ間違えなければ、正しい努力や積み上げができ、変化に強いキャリアが形成できるはず。
そうすると、人生100年時代の長い寿命を、謳歌することができるのだと信じています。
bbtokyoは、そんなみなさんと共に、成長できればいいなと思っております!