・ITエンジニア採用時の人事が何を見ているか?
・新卒、中途、未経験採用の採用基準とは?
について、解説しています。
私は「人事 兼 ITエンジニア」をやっています。
新卒や中途の一次採用面接をやっていた事がありまして、その経験談を基に採用基準について説明して参ります。
少しでも参考になれば幸いです。
IT業界で求められる人物像とは?
まず、IT業務に求められている人物像と適正について説明します。
・分析能力
・ロジカルシンキング力
・コミュニケーション能力
・提案力
・積極力
・分析能力
クライアントだけでなく社員のITにおける悩みや依頼内容をさっと考えて、未来を具現化出来る分析能力が必要です。
特に、営業職やコンサルタントや企画、マーケティングにはおおいに必須であると思います。
分析能力は、社内外にアピールポイントとして大いに役に立ちます。
ロジカルシンキング力
特にシステムエンジニアやプログラマーには、必須であると思います。
全体の概要やゴールを把握して、細かな箇所に取り組む事が大切です。
目の前の小さな目標を達成する事だけですと、ほぼ目標を見失っている状態であり、本来果たすべき結果を残す事が出来なくなります。
「木を見て森を見ず」ではなく、全体をイメージして、仲間とそれを共有して、決して感情的ではなくロジカルに考えていく事が大切です。
エンジニアにもロジカルシンキング力は必要ですが、営業職にも必須です。
人から信頼を得るためには、モノゴトの筋が通っていないと全く相手にされません。
コミュニケーション能力
この能力はどの職種でも必要ですかね。
作業報告をする、互いに連携する、仲間の思いや悩みを聞き出す事もコミュニケーション能力の1つであると言えます。
人間対人間である以上、言葉を交わして話をする為にも、コミュニケーション能力が高い方が内外より好かれます。
故に、残念ながらコミュニケーションをうまく出来ない人は、社内でうまくやっていけるかなど懸念材料をはらんでしまう事になって行きます。
提案力
顧客や社内の問題や課題を解決する為には、誰もが思いもつかない事や、「おぉぉ」と言える提案力を必要としています。
Aという方法ではなく、BやA´という方法を採用した方が好ましい。なぜならば、「これこれこうだ!」と自信を持って発言出来れば、提案力があると思われます。
しかも想定していたコストもが安かったり、ゴールへの作業工数が減れば尚更です。
言われた事だけでなく、自身で考えた事をどんどん提案する事も大切です。
提案すること自体は良いのですが、それの裏付けも忘れずに行って下さい。
積極力
既存の事だけでなく、新しい事に取り組んで行く姿勢が大切です。
ネットで勉強する事も、書籍を読んで勉強するなど、積極的・能動的に取り組む事で、自身が吸収でき一段階も二段階もレベルが上がった状態になって行きます。
指示を待つのも大切ですが、待ってからやるのではなく、自身で積極的に声を掛けて、質問をして行く。
ある課題があったとして、この部分までは分かるのですが、それ以降が分からないなど、能動的に対応する事が求められています。
人事担当は面接者の何を見ているか?(採用の裏側)
面接官としては、応募者の良い面を引き出す事ができるように、書類選考からの良いイメージを基にして面接をやっています。
私は人事をやっている訳ですが、一次面接を担当する事がとても多いです。
一次面接はあくまでも書類選考を通り、次のステップ(二次面接)に進んでも良いかどうかを私が判断しています。
判断する以上、責任は重大です。無論、上司から叱られる事もありますし、その逆もあります。
そのような経験を踏まえて、説明して参ります。
応募者のコミュニケーションスキルを見ています
応募者と会社の縁があれば、共に働く仲間になって行きます。
適性等を判断して、部署が違う場合もありますが、同じ会社で働く訳です。
一人で仕事をする訳ではありませんので、日々のコミュニケーションを欠かしてはなりません。
コミュニケーションスキルとは、以下を言います。
・自身が適切に伝えたい事を伝えて、相手に理解してもらえるか
同僚や上司、後輩、先輩や取引先などのありとあらゆる人とコミュニケーションを密接に行う必要があります。
職場で働く以上、コミュニケーションを欠かす事は絶対に出来ません。
私が見ているポイントは下記の2点になります。
「面接官である私の質問の意図を理解しているのか?」
「質問に対する回答や自身の事に対して、論理的に話をしているのか?」
応募者の志向性を見ています
志向性は、その人の思いや考え方、仕事に対する働き方などを表すのですが、書類選考では分からないその人の志向性が会社の理念や社風等に合っているのか?見出す事が出来るのか?などを見ています。
一致すれば、職場でもスムーズに、目標に対して同じベクトルであれば良いのです。
例えばですが、チームの和を重んじる会社であるのに、応募者が個をメインで考えているなどであれば一致する訳もありませんし、仮に入社しても成功する訳がありません。
応募者のストレス耐性を見ています
わざとイヤな質問をしてどのようにして対応するかを見ています。
社会人であれば、嫌な事でも、何とか対応しようと頑張る人もいますが、中には露骨に嫌な表情をする人もいます。
決して嫌がらせをしている訳ではなくて、ストレスに対する対処方法を見ている訳です。
縁が合ってせっかく入社したのに、すぐに退職をしてしまったのでは互いに良い思いをしません。
職員もひとそれぞれで十人十色な訳です。
個性豊かなチームに所属して、潰される事なくやって行けるかもその人次第(無論多くの方々がサポートしますが)です。
ストレスを抱える前提として、いかにストレスを自身でコントロールできるかがキーとなります。
面接官は、いわば採用の顔であり、配属予定となる部署の橋渡しをしていますし、調整役でもあります。
面接では真剣に応募者を見極めています。ですから応募者も真剣にやって欲しいと切に願います。
面接官の質問する意図などを前もって把握して、理にかなった回答をすれば、間違いなく二次面接や最終面接に進む事が出来ると思います。
一点だけ申し上げておきますが、高学歴の人が有利という事は絶対にありません。
職場で一緒に働く、しかも長期で、トラブルがない状態である事が一番望ましいです。
募集職種によってしまうかも知れませんが、高学歴というよりも、その人自身に見合う業務内容であるとか、ポテンシャル等を見極めていますので、人間関係を重視しています。
ITエンジニアの採用基準について
新卒の採用基準について
新卒でエンジニア採用されるために、習得すべきスキルや経験について説明します。
プログラミングスキル
ITエンジニアとして採用される為に最も有効なアピールとなってくるのは、言語のプログラミング習得スキルになります。
どんな言語(VBA、VB.NET等々)でも構いません。プログラミングスクールやオンライン学習サービスなどを活用して、プログラミングスキルの習得をして欲しいものです。
また、実際にプログラミングを使って自分のアイデアを形にした試作品なり成果物があれば、非常に良い評価を得る事が出来ると思います。
また、面接を受ける時点でやっていなくても、「現在勉強中です!」と見栄を張っても良いです。
しかしながら、その言葉に嘘がなければになります。自身の口から発する以上、責任が発生する事を考えて下さい。
IT全般の基礎知識
ITエンジニアの就職をする上で、IT全般の基礎知識は絶対必須になります。
具体的には、コンピュータの仕組み(電源をONにしてからどうやって立ち上がるのか?各パーツの役割等)やサーバー、ネットワーク、各種データベース、ITセキュリティ、開発手法等がIT全般の基礎知識に該当するかと思います。
資格で言ったら最低でも、ITパスポートレベルは欲しい所です。
書籍などを活用して学習すると良いと思います。
ITパスポートの資格を持っていなくても全く問題ありませんし、履歴書に書く必要もありません。
しかしながら、ITエンジニアを目指すのであれば、それ相応は基礎知識いわばスタートラインと言わざるを得ません。
資格取得がマストでもありませんが、最低でもITパスポート程度のレベルは持っていて欲しいものです。
論理的思考力(ロジカルシンキング)
プログラミングをやっている方々ですと分かって頂けるのですが、コンピュータは、人間が書いたコード通りにしか動いてくれませんので、的確にコードを書く必要があります。
1%の不具合なら大丈夫と高を括っていませんでしょうか?
その1%であれば、システムは間違いなく滅びます。
何故なら指示通り動いてくれないからです。
要件定義から運用・保守に至るまで、ITエンジニアとしての仕事をこなす上で、論理的思考力は、その基礎となって行きます。
論理的思考力があれば、多くの仕事をこなす事が可能ですが、そうでないと優先順位をつける事が出来ずに右往左往してしまいがちです。
コミュニケーションスキル
プログラムの開発やシステム開発は、一人でなく基本的にチーム全体として担っていく事がほとんどです。
決まったゴールに対して、やり方等で意見が割れてしまう事もあります。意見が割れるのは良くあります。
一人でやっている訳ではないからです。故に、しっかり話をし合ってコミュニケーションを活発に取るようにして下さい。
そのスキルが低いと、自身の思うように仕事を行う事が出来なくなります。
相手に論破されてしまえば、論破した人が偉いとは思いませんが、その人に支持が集まると思います。
互いに不平や不満を言うのも、褒め合うのもコミュニケーションを取って行く必要があります。
経験者の採用基準について
即戦力になるか否か
中途採用の場合、まずすぐにでもその業務を行えるかがキーになります。
いちから説明しないと出来ませんでは困り果てます。
こちらが教える事は致し方ない事ですが、毎回聞いてくるようではNGです。
他者を考えているか
中途採用の面接をやると非常に多いのが、「私は今までこのような事をやって来た。だが、そのことを前職(現職)では中々認めてもらえなかった。だから御社では認めてもらいたい。」
自身の行った事が間違っていない事を、声高々にいう方が多いです。
間違っていないのであればなぜ、前職(現職)では認めてもらえなかったのか?と聞くと大抵は「会社が私という存在を分かっていない。」などいう方もいます。
つまり、自身ではなくて他に責任があるようにいう方々が多いです。
大抵は自身の存在を認める為に、役員へのプレゼンをやっていない、上司への報告をしていないだけで、結局の所何もしていないだけ、悪いのは他者であると言っているに過ぎません。
面接は、不平不満を言う場ではありません。
諸条件について
中途採用の応募者は、現状を変えたいと思っている人がほとんどです。
勤務条件は、応募者が特に注目する条件になります。
その条件に納得しているかどうか、また、もし納得していない条件がある場合は、どこに納得しておらず、その根拠は何かなどを面接官に伝えて下さい。
内定を出す場合は、互いに納得する条件提示が必須になります。
落としどころも互いに考える必要があります。
未経験者は挑戦可能か?
結論から申し上げますと可能です。
今後、仕事で使う技術を好きであり続けるか?それを仕事としてやって行く事が出来るのか?見ています。
自分のプログラミングスキル向上は勿論なのですが、業務に関わりのある新しい技術を積極的に取り込もうとする人は魅力的なので積極的に採用したいと思っています。
なぜなら、未経験者の場合、現時点でスキルを問いません。今後本当に勉強して身に付けてくれるかを常に考えて期待しているからです。
また、ITエンジニアとして働く上で生じた課題に対して、自らで頑張って解決しようと考えて、行動をしてくれる人だと嬉しいです。
指示待ちも大切ですが、即行動する事に魅力を感じます。
自身で学んで解決する事や、他の人に協力を仰げるかも重要になります。
終わりに
駆け足で執筆させてもらいました。
中途採用でも新卒採用でもやる気があればまずは、おおむねOKです。
分からない事があれば、人に聞くだけでなく、自身で動いて調べる習慣を身に付けて欲しいです。
また積極的にコミュニケーションを図るようにして下さい。指示を的確に聞いてその指示を間違いなく実行する。
また相手に自信が伝えたい思いをロジカルに伝えるようになれればスキルは後からでもついてきます。
最後まで読んで下さりありがとうございました。