筆者の勝手な分析
とりぞーの勝手な情報を、お伝えします。
ソニーの採用
ぶっちゃけますと、大学狙い撃ちの非公開インターンやイベントがありました。
私は、非公開イベントに参加しました。
そこである程度、合格する人は決まっているような・・・気がします。
- インターン:1ヶ月程度。(私は不参加)
同期はソニーのインターンに参加しました。(ふたりとも本選考は不採用)
すべてのイベントは選考している!
「本イベントは、選考には関係ありません」とのことでしたが、明らかに評価していたと思います。
たとえば若手社員座談会というものがあり、以下のように若手社員を囲み、質問するのですが、発言するたびにバインダーになにか書き込んでいました。
なお、届いたメール。
なので、私は一番最初に挙手して、発言するようにしていました。
(積極性が重要視されていると思いましたので。)
ソニー・エントリーシート(ES)の例
そのあと、すぐにエントリーシートを作成して、提出です。
以下が実際のESです。(ただし、一部内容を変えました)
学業について
[研究概要] 現在取り組んでいる研究の動機として、「レーザ発光ダイオード(LD)を利用した可視光通信」を目標として掲げております。高速で大容量な通信を実現するためには、高周波電気信号に対して発光が追従されなければなりません。そこで、本研究の立ち位置として、有機材料がもつキャリア移動度の大きさがLDに及ぼす影響を考察し、可視光通信応用を目標とした高速光応答デバイスの実現を目指しております。
[工夫点] 各種実験結果より、LDデバイスの発光および電流の立ち上がり速さが、電子輸送層に利用する有機材料の電子移動度に起因する事を突き止めました。そこで、私は高速応答デバイスの実現には電子移動度の大きい材料が有効であると考え、電子移動度の大きい「*****」という電子輸送材料に注目いたしました。しかしながら、この材料を利用すると素子作製の途中の金属電極形成時に結晶化を起こし、デバイスが全く機能しない程の深刻なダメージが生じてしまいました。ダメージを受けない作製方法を模索するため、文献や各種実験、様々な作製方法を試験し、多角的な劣化原因の究明を試みたところ、「****層の表面が不安定状態にあり、熱劣化しやすい状態にある」という結論に至りました。そこで、「Bphenの表面を“埋め“つつ、熱を緩衝させる方法」を考え、****上に高温下で安定な有機材料を積層することで劣化を防止でき性能が飛躍的に向上させることができました。結果として、研究室内で最速なデータを得ることに成功しました。
[現状の問題点] 以上の手法により、矩形波電気信号に対する発光立ち上がり速度は非常に向上することが出来ました。しかし、発光立ち下がり速度が立ち上がり速度に比べ遅く、改善の余地があります。現在はその原因の模索段階であり、今後は更なるデバイス特性の向上を目指しています。
ソニーで何がしたいか
高品質・高付加価値・丈夫な薄型ディスプレイを実現し、海外メーカーにシェア逆転できるような映像ディスプレイの開発に従事したいと考えています。私は大学院でLDデバイス作製や光学特性評価を経験しており、貴社のディスプレイ開発現場でもこれらの経験が生かして積極的なアイデア提案ができるのではないかと考えます。そして、世界中の人々に受け入れられるディスプレイを実現するには、各地のニーズにフィットした製品技術の開発が求められると思います。製品開発に際して積極的に海外を経験し、世界にチャレンジしていきたいと思っています。そして薄型ディスプレイで世界No.1のシェアを目指したいと考えています。
学生時代に頑張った事
自らのアイデアで新たな音楽を創り、「観客を魅了できるバンド」を目指して楽曲制作に励みました。私は、リーダーとしてバンド運営に尽力し、効率よい練習メニューの作成やメンバーの意見取りまとめを行いました。
魅力的な楽曲を作るには、メンバー間で議論を深め、総力を上げて楽曲制作にあたらなければならないと考えております。しかしながら、私のバンドではメンバー 間で感性の違いが大きく、楽曲の「コンセプト」すら共有できず議論を深めることができませんでした。そこで私は、議論にはある程度の方向付けが必要である と考え、作曲を担当したメンバーが描いている「コンセプト」を、議論の“物差し“とすることで議論を進めました。
その他、楽譜の書き方を勉強し譜 面を作成したり、ごく簡単なサンプル音源の作成を行うことでイメージの共有を図り、控えめなメンバーにはこちらから質問を用意することで考えを引き出すように心がけ、楽曲観のすり合わせを行いました。これにより作業効率が大きく向上し、深い議論を進められることが可能となりました。
結果として、私達の楽曲は評判がいいものとなり、ライブに足を運んでくださる方が多くなりました。
そのほかPRがあれば書いてください(任意)
すぐに人と打ち解ける事ができます。
私は人との関わりが人生を豊かにする重要な要因だと考えており、人との付き合いを大切にしています。
これまで沢山の人々から様々な刺激を頂戴し、自分の人生選択に大きな影響を及ぼしてきたことはいうまでもありません。同時に、私が相手に対して良い影響を及ぼせたらこれほど嬉しいことはありません。人と接する上で、何かしら相手のお役に立ちたいと心がけ実践しています。
就職活動を通して沢山の方々と出会いました。自分から率先して話かけることで初対面の人々と意気投合することが多く、仲間が増えました。現在では、頻繁に連絡を取り合い、就職活動を助け合う良い仲間となっています。
ソニーの面接
一次面接(免除)
通常は、一次面接があるようなのですが、私はどうやら免除だったようです。
二次面接が技術面接で、私の場合は、二次面接からの開始です。
エントリーシートを提出してから1週間程度で、ES通過案内が来ました。
二次面接(技術面接)
ブースがあり、技術系社員が2名います。
そこで、自身の大学院での研究テーマについて説明し、質疑応答が行われます。
専門分野が近い社員がアサインされているようで、かなり専門的な質問が繰り返されます。
個人的に、人生初の面接がこの技術面接だったのですが、「もう少しリラックスしていいよ!」と言われながら、45分終了。
最後に研究のアドバイスを受けていました(社員めっちゃいい人でした)。
二次面接から2日後に通過連絡が来ました。
次回は最終面接となります。
三次面接(最終面接)
最終面接は役員だそうです。最終面接では、人間性を重視されていたように思います。
以下、面接のやり取りになります。
面接官:当社で実現したいことを教えてください。
→人に驚きを与えられるような製品開発をしたい、と考えています。
特に、ディスプレイに携わりたい、と思っています。
私がLEDの研究を始めたのも、御社で開発された有機ELテレビ「XEL-1」の美しい映像やその薄さに非常に驚きをもったからです。
臨場感ある映像には人を魅了する力が有ると考えます。このような製品開発に携わり、人に驚きを与えたいと考えています。
面接官:では、ディスプレイデバイス開発に従事したいということでしょうか。
→特に、と申せばディスプレイです。しかし、私は音楽をやっていることもあり、オーディオ系、たとえばリニアPCMレコーダーやウォークマンの開発にも強い魅力を感じています。
面接官:今後も学会発表をやっていく予定ですか。
→そうですね。記載された三回の発表に加えて、あと少なくとも二回は出る予定ではあります。
面接官:仕事の進め方、スタンスを教えてください。
→研究活動と音楽活動として共通するのですが、私は周囲の人々とディスカッションをしながら作業を進めています。具体的な経験談として、研究活動を例に挙げます。
研究において、私は先生や先輩は勿論のこと、同級生・後輩とも意見を交わしています。
このことで、様々な人々の知恵を吸収することも出来ますし、私の知恵だけでなく、たくさんの人々の知恵が素子作製に生きていると考えます。
結果として、研究室内でも最速なデータを得ており、新規性あるデータを得て、学会発表も2度経験しました。
ディスカッションを頻繁に行うことで、シナジーのようなものが生じると考えています。
面接官:議論を交わす、ということは、相手の立場と自分の考え方と異なると議論が発散すると思うが、それはどうするのか?
→研究の場面ではあまりそのような経験はないので、音楽制作の場面を述べさせていただきます。
エントリーシートにも書かせていただいた内容なのですが、確かにやみくもに議論を進めても、議論が深まることはございません。
ですので、議論にはある程度、縛りをつけなければなりません。
そこで、私は作曲者の持つ楽曲イメージを議論の「物差し」にすることにしました。
このものさしに対して、各メンバーが「ワーワー」言って議論を進めることにしたのです。
また、この楽曲イメージを各人で共有するために、譜面を作成したり、簡単な録音をしてみて皆で聴いてみたりすることで、イメージの共有を図りました。
このようにすることで、議論の幅が収束し、深い議論を可能としました。
面接官:そんなに小難しい曲をやっているのですか?笑
→そうですね。やはり、オリジナル曲でこだわりを持ってやっていますもので。
面接官:何か質問はございますか。
→有機ELはどうなるんでしょうか。
面接官:笑。たくさんの人に言われますが、なかなか難しいんですよね。新規で事業を立ち上げるには、投資の「選択と集中」をしなければならない。
ソニーではこの部分に弱みがある。
うちの良いところであり、悪いところなんだけど、技術者のこだわりがとても強いんですよ。こういった部分がいまでは弱みになっている。
例えば、ある製品事業がボツになったのに、技術者が机に下でコソコソと物を作っていて「ここまでできました」といって持ってくる。
これでは、事業の集中ができない。
いま、ソニーは苦境にある。
以前より、ソニーはTVと携帯オーディオプレーヤーに強みを持っていたが、現在では両市場で大負けしている。
テレビは、ブラウン管から液晶への移行が遅れてしまった。一方、韓国のサムスンなんかは、「これからは液晶の時代」と言って、莫大な投資を集中的に行い、TV市場を根こそぎ持っていかれた。
また、携帯オーディオという分野はウチが創出したんだけど、現在ではipodに大負けしている。
いまはもう、ソニーは大きくなりすぎて斬新なものを創出するのが難しくなった。
そこで考えたとき、ウチではいろんなことをやっているよねーって気付いて。様々なコンテンツ(ゲーム、音楽、映画、金融)とエレクトロニクス、これを融合できるんじゃないかな、と思って。
→私はモノを作る際、非常にこだわるタイプだと思ってますが、大丈夫でしょうか。
面接官:その姿勢はいいんですよ。ウチの強みでもあるし。大事な姿勢だと思いますよ。
面接官:他になにかありますか。
→はい。質問ではないのですが、一言、熱意を述べさせてください。
私は、「人を驚かせられる製品をつくりたい」と以前から思ってまいりましたし、学生時代においても、それを目標に行動していました。
(途中、何を言ったか覚えていない)
御社においても、この経験を生かすことが出来ると思います。
がんばりますので、どうかよろしくお願いいたします。
面接官:わかりました。勤務地についてですが、場所は保障できません。海外になるかもしれませんし、それは大丈夫ですか。
→大丈夫です。
面接官:(雑談の中)我々は苦境に立っていて、それを救える人材を探しているところなんですよ。
→「どうやったら、そのような発想ができるのか」と驚かれることがあります。
しかし、それはモノをつくる際に「強いこだわり」ができて、そのこだわりが生まれる源泉というものが「人を驚かせたい」という気持ちが強いからであり、人を驚かせたいと思うが故、独創性ある発想につながるのだと思います。こういう気持ちは開発の現場でも生かせるはずだ、と信じています。
面接官:よくわかりました。結果は数日中にできるかと思います。ご自身のこと、よくアピールできていたとおもいますよ。
内定連絡
その次の日に内定連絡を受けました。
ただし、他の内定を得たことから、数日後に辞退の連絡をさせていただきました。
何度かイベントにも参加して、たくさんの方々とお話ができたので、いい印象でした。
さいごに
おそらく、ソニーは独創的かつ頭の回転のよさ、を候補者に求めているのかな、と思いました。
特に技術面接はかなり厳しくツッコミをいれられて、しどろもどろに回答した記憶があります。
ですが、頑張って答えながら、相手の質問の意図を汲み取り、不明な点は理解を確認する。
そして、それに回答することができればしっかりと評価をしてくれるのだと思います。